経理・節税・経営分析をサポートするパートナーをお捜しの方へ::インフォメーション

  • Home»
  • SAITOH通信

SAITOH通信

Vol.1
  • 【弁当200円台戦争の恐怖~安値競争時代】

    ●既に安かったオーケーストア
    昨今のスーパーにおける弁当の低価格競争ぶりは目を見張るものがあります。ちょっと本題に入る前に、当事務所の近くにもよくあるオーケーストアの話をしてみたいと思います。ご覧になっている方の中にも、一度は行ったことがある方も多いかと思います。
    ここの特徴は特に目玉だけ激安ということではなく、全体的にいつ行っても安価な価格帯に設定し、消費者にまとめ買いを誘発している点が挙げられます。そのため店内のカート利用率も高く、大量の商品を購入するということは、当然それに対する運搬手段(すなわち車)が必要なわけですから、車利用率も高く、十分な駐車場のスペースが確保されていない店舗に至っては、左側一車線を潰す迷惑な「オーケー渋滞」が出来てしまうという現象も見られます。それでも、上記のような形で成功してきたのです。
    オーケーストアの弁当類の価格設定ですが、何年も前から最も目立つ表示は赤色で298円と書かれていました。(実際は298円は外税のためそれでは購入不可で、緑色表示で内税312円、そこから3%値引きされ303円程度で購入可能という複雑なことをやっている!)
    当時のスーパーの弁当類の価格は300円前後はほとんどなく、400円前後で小ぶりなもの、それなりのものだと500円程度はするというものが主流でした。

続く » « 隠す

●追随したところ
昨秋から一段と景況感が悪化し、「安くなければ売れない」時代となり、昨春の原材料の高騰を理由とする値上げから、うって変わって値下げ合戦がはじまってしまいました。 まずウォルマート資本が入っている西友系です。いち早く食料品のみならず衣料品にも力を入れ、「徹底した安値戦略」を行い、最近では200円台の弁当を中心とするCMまで流れるようになりました。 イオングループは、様々な商品が割高であったという自虐CMまで出したようですが、これは大規模ショッピングセンターを郊外に次々出店する戦略で、「規模が大きければ集客できる」という神話に基づいた考えに成り立っていました。しかし、今年はその戦略の大幅な方針転換を行わざるをえなかったのです。 百貨店の売上高が激減しているのはご存知の方も多いと思いますが、そのため当然今までのビジネスモデルの方針からの大転換を図ろうとするところも多く、セールの前倒し、下取りセール、今まで考えられなかった高島屋にユニクロが出店など、ひいては弁当も松屋や西武百貨店など300円台で販売するところもでてきました。 コンビニはタスポ効果が一巡し、もはや弁当類もその聖域ではなくなったということで、300円前後での小ぶりの弁当を充実させる、ローソンにとっては初という100円おにぎりセール等を頻発させるという低価格指向が鮮明になってきました。(セブンイレブンが弁当類の見切り販売を容認したことは別次元の問題でもあり、またいずれの機会に)

●個人の商店は追随可能か
まず、回答から申し上げると大抵の場合「困難」でしょう。 弁当で客寄せを行って他の商品で利益を出せる大手スーパーとは異なり、弁当一本勝負で行っている個人商店には頭が下がりますが、よくメディアで取り上げられるのは基本的に成功した事例であり、それは少数のケースであることに注意してください。 すなわち、「200円弁当で一日1,000個、大繁盛!」というのは、もちろんその店舗の努力は多分にありますが、有利な立地であったり、取り上げられた店舗の先行性であったりして、それの二番煎じを行っても成功は困難なケースがほとんどなのです。 それに、メディアは失敗した事例をほとんど取り上げてくれません。この弁当類の問題に限らず、「成功の報道の裏には数多くの失敗の事例があると思え!」というのは常に心掛けておくべきでしょう。 二番煎じが困難な理由は、通例、どの商売も限られた市場の中でパイを取り合っているからなのです。すなわち圧倒的な価格競争力が自分のところだけであるうちは、客数も圧倒的となり理想的な薄利多売の形で回転するわけですが、どこも同じになると再び客数が低下し、売上とともにそれ以上に利益が低下する現象を起こします。(いわゆる共倒れです) ちなみに話はそれますが、一般的な弁当類の原価は200円を下回りますので、「298円でも客数が倍になれば元が取れるかも」という考えも可能ですが、ユニクロやニトリの場合はそうもいかないのです。もはや小規模な小売業では太刀打ちできず、大手の強大な資本を背景とした製造力にはかなわないのです。もはやユニクロやニトリは中国や東南アジアに大工場を持つ「製造業」で、小売も一体となってやっているにすぎないと考えられます。

●安値競争の行きつく先
結局、消費者にとっては安価な商品を購入することは願ってもないことのように思えますが、その商品がどのようにしてできたかという「付加価値構成」を見ると、巡り巡って自分のところに来るのではないかということです。 安価な商品を供給する側も利益を出さなければなりませんから、経費削減は必定で、それが産業の空洞化であったり、下請け業者を叩いたり、賃金に反映されたりで、一言で言うと「デフレ」ということになるわけです。 こういうことはバブル崩壊以来言われ続けていたことではありますが、何事も重要なのは、「適正」な価格競争を行い、緩やかながらも消費者の購買力も上り調子で進んでべきと考えます。-1%と+1%の差は、心理的に想像以上に大きいものであると考えます。

●生き延びる道
総論になってしまいますが、個人・零細事業者は無理に追随しても成功はおぼつかない、では、どのようにすれば生き残れるかということですが、今のところは「現在の顧客に対して価格以外の面でサービスをして、逃さないようにする」ということしかないと考えます。いわゆる「顧客の囲い込み」です。 例えば個人のそば店で800円のランチセットを、500円に値下げしたところで客数は多少増加するでしょうが利益を吹き飛ばすだけだと思います。品質や量も落としたら今までの顧客をも逃しかねません。 それよりも、現在の顧客分析(そば屋の例:年配者が多い)→量や値段を変えず、品質向上に努める。常連さんにはより一層のコミュニケーションを図る。こんな感じでの囲い込みです。これが、他の弁当屋・飲食店でも、ファミリーが多い店であったら、原価の低いドリンクサービス、学生が多ければ量のサービスなどができるでしょう。 もちろんこれらは多くの店舗で既に行っていることかもしれませんが、重要なのは価格低下に追随せず、その代わり他のサービスを向上させるという意識を強く持つことです。中途半端な値下げは命取りになりかねません。もともと800円でも来てくれた客層と200円台の弁当に積極的に手を出す客層は、全くもって異なっていると考えるべきです。 しかし残念ながら、これらは売上の大幅な増加に直結する方策ではありません。むしろ、先ほど申し上げたところとは若干矛盾しますが、せめて-1%や-2%に抑えようとする考え方で、下手なことを行って-10%や-20%にはしないということにすぎないのです。すなわち、「守り」の経営の典型例です。いわば「延命」をしている状態で、普通にこれだけを行っている限りではジリ貧になっていく可能性が高いでしょう。 この安値競争・デフレ懸念・出口が見えない不況という、極めて厳しい時代にはなりました。こういう時代には上記のような「守り」の経営を中心とすることは重要であります。しかし、そんな中にもチャンスがあれば反転して攻め込む姿勢を持ち続けることも重要です。「何かしたころでも売上はなかなか増えない時代になった。しかし、何もしなければ売上は決して増えることはない、それどころか減る」ということなのです。 僭越ではありますが、それは個人・零細事業者を得意先とする筆者にもあてはまり、このホームページを立ち上げたのも上記の考え方に基いた一環なのです。そして、この通信を更新して内容を充実させていくことによって、少なくともページだけ作っておいて後はほったらかしのところとは差別化を図っていく所存です。(もちろん、もっと更新頻度が高いブログのような形で行っている素晴らしいページも多数もありますが)  最後までお読みになっていただいた方々には深く御礼申し上げます。 また、このページにお越しいただいただけでも感謝であります。 今後も度々更新を行ってまいりますので、末長く宜しくお願い致します。

Page Top